学びスタジオ®︎のブログ

子育てや教育について思ったことを書きます。

"頼る力"の高い子ども"が、 “なんでも自分でできる子”ども"よりも強い


こんにちは、四谷大塚NETフォーラム塾上本町教室塾長・学びスタジオ®︎代表の奧川えつひろです。


ご訪問いただき、ありがとうございます。


今回は、頼ることについて書きます。


❤︎日本人は人に頼ることが苦手?


日本人は一般的に、


人に頼ることが苦手なようです。


人に頼ることは


"相手に対して申し訳ないこと” で、


なるべく避けるべきだと考える人が多いです。


また、


日本の社会傾向として、


"悪いことが起きてもそれは自己責任"


と考える風土があります。


助けてほしい状況にあっても、


「問題が起きたのは、あなたの責任でしょう?」


と思われてしまうのではないかと、


他人に頼ることを躊躇してしまうんですね。


❤︎多様性の社会では、頼る必要がある


変化が激しく、


これから益々多様性を重視する社会になっていきます。


多様性=ダイバーシティとは、


互いの違いを認め、尊重することです。


その多様性を一人で抱えることには限界があります。


だから、


"誰もが困っていることを打ち明けやすい環境"


を作っていく必要があるのではないでしょうか。


そして、


"人に頼る力"が


こらからの社会人にとって、


最も必要な能力のひとつとなっていくように思います。


❤︎"人に迷惑をかけない子ども"に育てる


なぜ日本人は人に頼ることが苦手なのか。


それは、


"自分のことは自分でする。


人に頼ってはいけない。


甘えてはいけない。"


と、


親が子どもに言いすぎるからです。


❤︎人に頼ることを知らない子どもはどんな大人に成長するのか


人に頼ることを知らない子どもが大人になると、


子育てや家事をひとりで抱え込んでしまって、


うつ病になったり、


職場で度を超えた仕事量をこなすうちに、


過労死してしまったりする可能性があります。


そうなる前に、


「自分一人ではもう無理。助けて」


と言えないのは、なぜでしょうか? 


それは、


自分の仕事は自分でやらなければ


人に迷惑をかけてはいけない


人にやってもらってはいけない


という気持ちが強いからです。


❤︎ 生きていくためには「人に頼る・甘える・助けてもらう」といった能力が必要


長い人生、


人に迷惑をかけずに


自分だけの力で生きていくなんて不可能ですし、


多様性の時代では尚更です。


だから、


子どもには「人に頼ってもいい」


ということを教えなければいけません。


困っているときは誰かに頼っていい、


相手に迷惑をかけていると思わなくてもいい


と親が子どもに伝え続けることが大切です。


❤︎子どもが"頼る力"を育てるために


❶「困っている人を助けよう」と子どもに伝える


「迷惑をかけるな」ではなく、


「迷惑をかけるのはお互いさまだから、


困っている人がいたら助けよう」


という言葉を積極的に伝えましょう。


また、


誰かを助けてあげたときに人は


「自分が役に立ててよかった」


「頼られると嬉しい」と思うはずです。


"頼ったり頼られたりしながら人は生きている” と子どもに教えることが大切です。


❷子どもに「自分でできるでしょ!」と言わない


着替えや食事など、


子どもは成長とともに自分でできることが増えてきますが、


「お母さん、やって」と甘えてくる日もありますね。


そんなとき、


「自分でできるでしょ!」と突き放すと、


逆に子どもは自立に抵抗を感じます。


子どもが「お母さん、やって」と甘えてきたら、


笑顔で手伝ってあげましょう。


親が子どもの甘えを満たすことで、


「困ったときに人に助けを求められる」


「人の力を借りることができる」という


"本当の意味で自立した子ども” に育っていきます。


❸子どもに「お手伝い」をお願いする


子どもにお手伝いを頼むと、


子どもの頼る力が育ちます。


「〇〇を手伝ってもらえたら、すごく助かるわ」


子どもにお手伝いをお願いしましょう。


その際は、


子どものできる範囲のお手伝いを


具体的に伝えるようにしましょう。


また、そのつど


「ありがとう!」


「助かったよ」と伝えることも大切です。


家庭内で助けたり助けられたりする経験を重ねると、


子どもは「助け合うって気持ちがいいことなのだ」と理解できます。


すると、


外でも上手に人に頼れるようになるのです。


❹"頼むときの心構え"を教える


誰かに頼ることは、


自分と相手の自己肯定感を共に高めることです。


①頼むことは、相手への信頼、承認、尊敬だととらえます。


②頼む代わりに自分ができる仕事を引き受けます。


③こちらから先に頼むと、相手もこちらに頼みやすくなります。


④感謝やねぎらい、助かっていることを伝えます。


❤︎まとめ。"頼る力"の高い子ども"が、 “なんでも自分でできる子ども"よりも強い


変化が激しく、


多様性=ダイバーシティ=互いの違いを認め、尊重する時代には、


自立した共生が必要になります。


"頼る力"は、弱さではなく、強さになります。


共感は、育てないと育たない

こんにちは、


四谷大塚NETフォーラム塾上本町教室塾長・学びスタジオ®︎代表の奧川えつひろです。


ご訪問いただき、ありがとうございます。


環境の変化とともに、


人々から"共感"が失われつつあります。


"共感"の価値を見直したく、


今回は、共感について書きます。


❤︎共感力とは?


"共感"とは、


ほかの人の考えや意見・気持ちなどに、


自分もそのとおりだと感じること。


また、その気持ちとのこと。


❤︎3つの共感


❶認知的共感"考える"


相手の感情を理解しようとすることです。


たとえば、


友人が大事なテストに失敗したとき。


その友人が


いまどんな気持ちでいるのか、


なにを考えているのか、


これからどうしようとしているのか…


当人の感情や思考を推測しようとする力です。


❷情動的共感"共有する"


相手の悲しい(嬉しい)気持ちが伝染し、


自分自身も悲しい(嬉しい)気持ちになるなど、


相手と同じ感情を抱くことです。


この情動的共感は、


相手の表情や声、しぐさなどを


目で見ることによって、


脳が反応するために起こる現象です。


人類が社会的動物として生き抜くうえで身につけてきた術とも言われています。


❸共感的関心"配慮する"


「相手が自分になにを求めているのか」


「自分は相手になにをしてあげられるのか」を考える力です。


"認知的共感""情動的共感"の2つは、


直感的な共感であるのに対して、


"共感的関心"は、


相手の幸せを考慮して自分自身の行動を決めるため、


熟考が必要になると言われています。


❤︎共感力は、ビジネスの場面でも大切


共感豊かな職場は、


強力なコラボレーションが生まれやすく、


ストレスが少なく、


社員の士気も高い傾向があり、


困難な出来事から立ち直るスピードも速いと言われています。


共感力は、


子どもたちの将来において必須な能力です。


❤︎共感力が高い人の3つの特徴


❶聞き上手


共感力が高いと、


相手の伝えたいことを最後まで集中してしっかりと聞くことができます。


共感力が高い人は、


相手の気持ちになって話を聞くので、


話の展開を先回りして話し始める


話を途中で遮って質問をする


といった行動をとることが少ないようです。


❷思いやりがある


共感力が高い人は、


他者の立場に立って物事を理解できるため、


相手を怒らせたり不安にさせたりすることが少ないです。


また、


相手を安心させる行動が多いので、


人との信頼関係が築きやすくなります。


❸リーダーシップがある


共感力がある人は他者の感情や思考を読むことができるので、


リーダーシップを発揮できます。


これからは、


従来の支配型ではなく、


共感と傾聴を重視するリーダーシップスタイルが必要になります。


❤︎3つの共感力の高め方


子どもがまわりを意識し始める5~7歳頃から共感力を育成するのが最適です。


❶子どもの気持ちを言語化する


他人の感情を理解するには、


まずは自分の感情を理解する必要があります。


普段から自分の気持ちを意識し、


言葉にする習慣をつけましょう。


感情を言語化することで、


子どもの頭のなかで"気持ち"と"言葉"が対応するようになります。


「あのとき、どんな気持ちだった?」


「ちょっと悲しかったね」……


子どもの気持ちを言葉として引き出す声かけが有効です。


❷他人の気持ちについて話し合う


相手の気持ちを推測する力(思いやりの心)は6歳頃から発達し始めます。


子どもが他者の気持ちを想像できるようになってきたら、


「お友だちの〇〇ちゃんはどう感じたかな?」


と相手の気持ちを考えさせる問いかけをしてみましょう。


このとき、


子どもの表現や気持ちを否定しないように気をつけましょう。


また、


他者の行動や考え方を学ぶには「ごっこ遊び」もいいですね。


❸たくさんの物語に触れる


共感力を高めるのには、


伝記やドキュメンタリーを見たり、聞いたり、読んだりするのが効果的です。


子どもはそれらを通して、


"いろいろな疑似体験” をするのです。


世のなかには、さまざまな考えの人がいると理解し、


他者に対する想像力も高まります。


❤︎共感力は、トレーニングで高められる


共感力を高めるトレーニングをすると、


脳の共感をつかさどる部分が成長します。


共感力は生まれもった才能ではありません。


いつからでも高めることができるスキルなのです。


❤︎共感力が高すぎる"エンパス"


人並みはずれた高い共感力をもつ、


エンパス(empath)と呼ばれます。


日本人は、


5人に1人がエンパスと言われています。


❤︎エンパスの特徴


❶相手に合わせるのが得意


❷他人の悩みを自分のことのように感じて一緒に悩む


❸「あなたはどうしたいの?」と聞かれても、自分の本心が分からない


❹他人の嘘がわかる


❺相手がなにも言わなくても、本音に勘づく


❻人が怒られていると、自分が怒られているようにつらい


❼相手の気持ちや考えを想像するあまり、思い込みや勘違いをよくする


❽小さな物音で起きるほど眠りが浅い


エンパスの人は、


無意識に “空気” を読んで行動するので、


自分も気づかぬうちに疲れてしまい、


"共感疲労"という状態になってしまうこともあります。


❤︎エンパスにふさわしい職業


エンパスの性質をもつ子どもは、


環境の小さな変化に気持ちが大きく左右され、


それを言葉で説明できないため、


気分屋で怠けている


気難しい子ども


と周囲に誤解されやすいです。


エンパスは、あくまで気質です。


エンパスの人は、


医療従事者・カウンセラー・保育士…


高い共感力を必要とする仕事で


能力(気質)を発揮することができます。


❤︎まとめ。共感力は育てないと育たない


共感力がある人は、


聞き上手で、


思いやりがあり、


真のリーダーシップに必要な資質です。


共感力を体験を通じて育てていきましょう。


好奇心は、自然の中で育つが、自然に育たない

こんにちは、


四谷大塚NETフォーラム塾上本町教室塾長・学びスタジオ®︎代表の奧川えつひろです。
ご訪問いただき、ありがとうございます。


今回は、好奇心について書きます。


❤︎好奇心と優しさが有れば大丈夫


好奇心も優しさも、


内から湧き上がってくるものです。


好奇心は、やる気の原動力で、


優しさは、正しさの原動力です。


この2つ心が育っていれば、


楽しく生きていけると思います。


❤︎好奇心はどこから


好奇心は、


内から湧き上がってくるものですが、


きっかけがあります。


それは子どもを取り巻く環境です。


❤︎自然の中にある、おもしろさ


例えば、


野菜を育てていると、


野菜の成長の素晴らしさ


野菜につく虫の役割り


四季折々の風景


野菜と雑草の共生


害虫の役割り……


自然の中にある変化は、


おもしろいです。


❤︎おもしろいが通り過ぎないために、親が必要


しかし、


自然が与えるおもしろさ、


そのままだと通り過ぎて行きます。


それを、


好奇心に変えてあげるサポートをするのが、


大人の役割です。


❤︎好奇心は理解"と"理解の欠如"から


好奇心は、どこからうまれるのでしょうか。


好奇心には矛盾した性質があります。
"理解"と"理解の欠如"から好奇心は生まれるという性質です。


つまり
"少し知っている"領域がないと
"知らない"という感覚が生まれないのです。


新しい情報によって、
無知を自覚させられ、
それを"知りたい"と好奇心が生まれます。


❤︎"ちょっと知っていることが必要


まるでクロスワードパズルのように、
既知の情報と未知の情報にはさまれた"情報の空白"を
私たちは埋めたくなる性質があります。


逆に、
まったく知らない領域にはなかなか興味が向きません。


何も知らない領域に対して、
突如好奇心が生まれることはありません。


好奇心が生まれるためには、
”少しだけ知っている”ことが必要です。


❤︎好奇心が生まれない状態


❶過信効果


"過信効果"といい、
人はある領域について詳しくなると、
何でも知っていると思い込みやすくなります。


この状態に陥ると人は好奇心を失います。


❷自信不足


また、
"自信不足"も好奇心をしぼませます。
生活のなかに不安や恐怖などがあれば、
それに振り回され、
心を使い果たしてしまいます。


この自信過剰と自信不足の真ん中に
好奇心を刺激する環境がうまれます。


❤︎好奇心の3段階


❶第1段階
周囲の世界を探求します。
自然の中にあふれています。


❷第2段階
周囲にある情報に対して"なぜ"と疑問をなげかけていきます。
周囲に目を向け情報を収集する習慣を身につけることです。


❸第3段階
これまでの観察と情報の蓄積から生まれる"なぜ"が
"興味"へと発展していくのです。


こうして好奇心は、
"個人"と"外界・社会"との結びつきを強める力となっていきます。


❤︎子どもにたくさん質問しよう


好奇心は、自然のままでは育ちにくいです。


好奇心の欠如は、
無関心・無気力、表面的な関心に流されることの助長します。


好奇心が発動するために、
「なぜかなぁ」と思うきっかけを、
子どもへの問いかけから始まります。


子どもを自然の中に連れ出し、
子どもに質問して、
"少し知っている"状態を作り、
好奇心に火をつけます。


❤︎親子で調べよう


子どもの好奇心に火がついたら、
その対象を
親子で調べたり、話し合ったりして、
好奇心を育てて行きたいですね。


❤︎親と一緒にする体験が優しさを育てる


親から受ける愛情や、
親が一緒に調べたり、
話し合ったりサポートしてくれる体験が、
親への信頼や感謝の気持ちを育て、
それが、
人への優しさ、
自然への優しさ、
社会への優しさ
に繋がっていきます。


❤︎まとめ。好奇心は、自然の中で育つが、自然には育たない。


自然の中には、おもしろいことがいっぱいです。
おもしろいを好奇心に帰るには、
「なぜかな」の親の質問が必要です。
そして、一緒に自然について調べ、話し合いましょう。
"やる気"の源泉である"好奇心"を育ってきます。